アメリカ大統領 ジョージ・W・ブッシュ殿 イラク侵略戦争の責任を認め、米軍をイラクから撤退せよ イラク占領軍支援のための派兵と財政支出を迫る来日に強く抗議する 2003年10月17日 日本平和委員会  貴政府が強行したイラク攻撃は、アナン国連事務総長も「国連憲章に対する根本的挑戦 」と批判したように、言語道断の無法な侵略戦争であった。この戦争で貴国は、劣化ウラ ン弾やクラスター爆弾など、数多くの残虐兵器を使用し、少なくとも9000人もの民間人の 死者と2万以上の負傷者を生み出し、イラクを荒廃させた。しかも貴国が戦争の理由とし てあげた「大量破壊兵器」の情報もまったくの偽りであったことが明らかになっている。 うそをつき、国連憲章を蹂躙し、罪なき多数の命を奪う戦争をすすめた貴殿の責任は重大 である。その侵略戦争の責任を認め、被害者への補償を行い、即刻イラクから米軍を撤退 させることを要求する。  貴殿は、世界中の非難をあび孤立するなかで、世界で最も忠実な同盟者である小泉首相 に、イラク占領政策への協力のために「人(軍)も金も出せ」と圧力を加える目的で来日 した。しかし、このような無法な占領軍に加担することを、日本国民は断固として拒否す る。  占領軍支援のための自衛隊派兵を強行すれば、イラク復興支援に結びつくどころか、混 乱をさらに長引かせるだけである。そもそも、日本国憲法第九条を持つ国として、海外で 人を殺す殺される事態を招く派兵は断じて許されない。  いま求められるのは、米英軍主導の軍事占領から、国連中心のイラク復興支援、そして イラク国民への主権移譲へと、早急に軌道を移し変えることである。そして、国連憲章と 国際法にもとづく平和秩序を確立することである。私たちはその実現のために全力を尽く すことをここに表明する。