防衛庁における有事法制の研究について 1 現在、防衛庁が行っている有事法制の研究は、シビリアン・コントロールの原則に従って、昨年8月、内閣総理大臣の了承の下に、三原前防衛庁長官の指示によって開始されたものである。 2 研究の対象は、自衛隊法第76条の規定により防衛出動を命ぜられるという事態において自衛隊がその任務を有効かつ円滑に遂行する上での法制上の諸問題である。 3 自衛隊の行動は、もとより国家と国民の安全と生存を守るためのものであり、有事の場合においても可能な限り個々の国民の権利が尊重されるべきことは当然である。今回の研究は、むろん現行憲法の範囲内で行うものであるから、旧憲法下の戒厳令や徴兵制のような制度を考えることはあり得ないし、また、言論統制などの措置も検討の対象としない。 4 この研究は、別途着手されているいわゆる防衛研究の作業結果を前提としなければならない面もあり、また、防衛庁以外の省庁等の所管にかかわる検討事項も多いので、相当長期に及ぶ広範かつ詳細な検討を必要とするものである。 5 今回の研究の成果は、ある程度まとまり次第、適時適切に国民の前に明らかにし、そのコンセンサスを得たいと考えている |
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