南スーダン「日報」隠ぺい疑惑の解明と自衛隊の撤収を

photo防衛省は、「平和新聞」編集長の情報公開請求に対して「既に廃棄しており、保有していない」としていた陸上自衛隊南スーダン派遣施設隊の「日報」(南スーダンの首都ジュバで政府軍と反政府勢力の大規模な武力衝突が発生した昨年7月7日から12日の分)について、再度探索した結果、保有が確認されたとして一部を黒塗りにして公表しました。「日報」は、統合幕僚監部の二つの部署で2011年の派遣開始以来すべてのものを保存していることが明らかになり、隠ぺいが疑われています。「日報」には、政府がくり返し否定してきた「戦闘」という言葉が何度も登場し、自衛隊宿営地の隣接地で戦車や迫撃砲などによる激しい戦闘が行われ、派遣部隊が戦闘への巻き込まれや流れ弾の脅威にさらされていたことなどが記されており、政府がこうした事実を隠して駆け付け警護などの新任務付与を強行したことが明らかになりました。南スーダンは国連安保理決議も「武力紛争」と明記する、まぎれもない内戦状態です。政府は、その事実を直視し、PKO参加5原則にのっとり自衛隊をただちに撤収させるべきです。そして、国連が「ジェノサイドの危機」と警告する同国での戦闘や民間人への攻撃を停止させるための外交努力など、非軍事の分野での貢献に力を注ぐべきです。 

(2017/03/01)